オーストラリアにて  その7

11月のグレネオン{日本語、人形劇}

朝きたこども達はキスをしてお母さんと別れ、ベンチに集まる。教師が目や手で合図したこどもから室内に入り、丸くなって朝のひと時が始まる。
クリスマスのライゲンと朝の賛美の歌。
Goodmorning Dear Earth
Goodmorning Dear Sun...
身振りを入れながら毎朝繰り返される美しい詩は、ゆっくりとこども達の魂に
入り込んでいく。
今日は日本語がある日だ。12年生まで学ぶので上級生になると日本語を話せる子も多い。{杉並区の学校と姉妹校で交換留学生として日本に行くこともあるそうだ。}
この時の日本語の先生はなんとアメリカ人のジュデイー。{日本人教師が産休
のため} 汽車ぽっぽのリズムで早い、遅い、内、外を身体を使っておしえている。私もジュデイーに言われて日本の手遊びをする。この後は外遊びの時間。2人の教師のうち1人は外のベンチに座り遊びの様子を見ている。もう1人は
室内の片付けや次の準備。
フローフォームで遊んでいるこどもに笹舟を作って流してみせると大喜びで
作り方をきいてくる。好奇心一杯なのはどこの子供も一緒だ。遊びのあとは
ランチタイム。ここも365日同じようなメニューでサンドイッチ、生野菜、果物
。なんでこんなに大きくなれるんだろう?素朴な疑問です。
だいたい、20分ほどで食べ終わるとまた外遊びだ。こども達は必要があるときに教師のところに来るが、他は子供同士でよく遊んでいる。カタツムリを見つけて家を作りカタツムリを赤ちゃんにして家族ごっこをしている子もいた。
この後、人形劇が始まる。集まりの歌がうたわれこども達の準備ができると
ろうそくに火がともりライアーの音が静かに流れお話が始まった。
こども達は週1回金曜日に行われる人形劇を楽しみにしている。お話は日本の
「大工とおにろく」のような内容だった。グレネオンのこども達はとても集中
してお話を聞くことができる。
この時、ウイリアムが何かで拗ねてしまい人形劇を見るのをいやがった。
教師はよく話を聞き中に入るよう促したがウイリアムは自分で決めたことだからといいベンチに残った。終わるのを毛糸を編みながら待っていたが自分で
納得いったのか、帰りの集まりにはいつものように参加していた。